2013/11/09

【舞田敏彦】博士課程修了者の多くが行方不明・死亡したと称するデマについて【またお前か】

関連記事「株式会社はてなから情報開示請求を知らせるメールが来ました」を書きました。(2015年1月24日)

関連記事「舞田敏彦さんからDMCA違反の申し立てがありました」を書きました。(2016年9月29日)

先日、このようなツイートを見かけた。

大学の博士課程を修了した者が、その後、正規雇用されず、多くが不安定な職業に甘んじたり、死亡したりした、とするツイートである。行方不明者がいるとまでは言っていないが、そのように誤読する者も多かった。

このツイートに対する主たる反響は、次のようなものであった。

結論からいうと、完全なデマである。


「博士が100にんいるむら」

このデマはかなり以前から流行しているもので、オレの知っているだけでも、すでに2005年には大流行していた。もしかしたら、それがこのデマの誕生の年かもしれない。しかし、これはリアルタイムに検証されてデマであることは明らかになっていた。

このデマは当初、「創作童話 博士(はくし)が100にんいるむら」という名前で流通していた。内容はほぼ同じである。博士課程の修了者のうち、約8%が「ゆくえふめいか、しぼうしています」とするもので、もちろん言うまでもなくデマである。

この「創作童話」と称するデマは、数字が極端すぎる上、データの出所を明らかにしていない。こんな荒唐無稽なデマを信じるほうがどうかしている。

このデマはただちに検証され、文科省の「学校基本調査」がネタ元であることが明らかになっている。

「学校基本調査」を見ればすぐに分かることだが、ここで約8%と言っているのは、以下(平成25年度版)の通り、「卒業後、調査期日の5月1日までに死亡した者と、学校で卒業後の状況がどうなっているかまったく把握できていない者」のことである。

死亡・不詳の者
卒業後、調査期日の5月1日までに死亡した者と、学校で卒業後の状況がどうなっているかまったく把握できていない者。
学校基本調査-用語の解説:文部科学省
Q:
「卒業後の状況調査票(2-1)」について,卒業後の状況を把握できない者がいます。どこに計上したらいいですか?
A:
「不詳・死亡の者」に計上します。ただし,進学でも就職でもないことが明らかな者で,進学や就職準備中の者や家事手伝いの者は,「左記以外の者」に計上します。
平成25年度 学校基本調査の手引※PDF

3月末に課程を修了して5月1日までに死亡する者はかなり少ないと考えられるので、大半は卒業後の就職状況が不明、つまり、たんに「調査票が返却されなかったか、連絡先が分からないので、データを取得できなかった」というだけである。どこにも「行方不明になった」などとバカげたことは書かれていない。

手品のタネが分かれば、「なあんだ」というだけのことだが、デマのデマと呼ばれるゆえんは繰りかえされる悪質さにある。


社会統計学専攻と称するデマ常習犯

「データえっせい」と題するブログがある。筆者・舞田敏彦のプロフィールを見ると、次の通りである。

舞田敏彦
1976年生まれ。東京学芸大学大学院博士課程修了。博士(教育学)。武蔵野大学,杏林大学兼任講師。専攻は教育社会学,社会病理学,社会統計学。

これを見ただけならば、たいそう立派な人物であるかのように思える。社会統計学などを専攻していたとのことで、その方面には詳しいのだろう。ところがこの人物は、とんでもない大ウソつきであった。

舞田敏彦は、2012年に「博士が100にんいるむら」と同様のデマを流している。

記事のタイトルを煽情的な「~の惨状」とした上で、「(8)死亡・進路不明」を勝手に「死亡・行方不明」と読みかえて、不安を煽りたてている。かれは単なる書きまちがいだと言い訳するかもしれないが、ここだけが切りとられ、一人歩きして、当時はそうとうTwitterを賑わせたものである。

すぐに多くの批判が寄せられたが、大半は語彙の改竄についてではなく、統計処理の方法についてであった。そのため舞田敏彦は数日後、「分析の不備を補正する」と称してブログ記事を書いたが、けっきょく「進路不明」を勝手に「行方不明」と読みかえたことについては、謝罪も撤回もしないままであった。


すでにお気づきだろう。

冒頭に引用したツイートは、このデマ記事を書いた舞田敏彦、その人のものなのである。また、おまえか。

舞田敏彦は、このツイートの反響が大きかったので気をよくしたのか、ブログ「データえっせい」に補足記事を書いているが、もちろん、言うまでもなくデタラメである。

かれはこの記事で、「不詳・死亡」の内訳について「おそらくは,連絡が取れないなどの理由による進路不詳者であると思われます」と説明している。つまり、かれが2012年に書いた記事で、あたかも行方不明者であるかのように書いていることが、間違いであると分かっているのだ。そのような批判があり、それを知ったうえで訂正していないのである。

オレが、かれを悪質なデマ屋と考える理由の1つである。つまり、ウソをウソと知りつつウソを吐くこと、である。

舞田敏彦はこれに続けて、「でも,行方不明者も結構いそうだなあ」とも書いている。この期に及んでまだ不安を煽りたてるのか。かれは読者がそのように誤読することを望んでいるのだ。いくらなんでも、これは呆れはてるほかない悪意に満ちた文句ではないだろうか。しかも、2012年にバレたウソでありながら、この2013年にふたたび繰りかえしている。

悪質なデマ屋であると考える理由の第2である。つまり、すでにバレたウソを何度も繰りかえすこと、である。

舞田敏彦は、自身のツイートがあたかも死亡者・行方不明者が多発しているかのような誤読をされていることを知っている。にもかかわらず、その誤読の広がりを止めようとはしていない。むしろそれが拡散することを積極的に支援している。たとえば上記の「ハムスター速報」を、舞田敏彦はTwitterで紹介している。まったく批判は加えていない。

オレが舞田敏彦を悪質なデマ屋と考える3つ目の理由である。自分のせいで広まっている誤読を抑えようとしていない。

おかしなグラフ

舞田敏彦が、冒頭ツイートにかかげるグラフにも問題がある。各専攻の人数が明らかにされていない。統計を専門的に行う者なら、サンプルのサイズやその偏りはとうぜん考慮するはずだが、舞田敏彦は社会統計学を専攻したと称しながら、まったく考慮した形跡がない。

2013年の調査対象となった学部別の学生数は、55万8853人である。一方、博士課程の修了者数は、わずか1万6440人である。約34倍の差がある。これだけサンプルサイズが異なるのに、同程度の精度で比較できるとでも言うのだろうか。

おなじ博士課程でも、専攻によってもサンプルサイズが違う。最多は保健の5261人、次いで工学は3668人である。少ないほうでは家政が82人、芸術が133人である。修了者133人のうち進路不明者が35人いるからといって、統計上、そこにどれだけの意味があると言えるのだろうか。ちなみに、社会科学の学部生は19万5024人である。

また、学部卒業生と博士修了生を比較していること自体が、そもそもおかしい。3月末に卒業した者が、5月1日までに就職しているとすれば、それは卒業前から就職が内定しているのである。学部生の新卒入社が多いのは当たり前のことではないか。一方、博士課程を修了した者は、進学者が少ないのは当然のことだし、教育機関に就職するにしてもいきなり教授や准教授になるわけではない。いちど非常勤講師などをへてキャリアアップするのである。非常勤講師はもちろん「非正規就職」である。これを比較しようなどと考えることが、そもそもバカげている。

だいいち、進路不明者をグラフに含めちゃいけないよ。不安定進路なのかどうか、文字どおり「不明」なんだから。こういうのは、まっとうな論者なら無効データとして扱うべきものだ。まっとうな論者でないなら、…まあ、しかたないな。

グラフは、数字が差ししめす事実を視覚的に分かりやすく伝えるためのものである。舞田敏彦は、われわれに何を分からせようとしているのか。


社会統計学を専攻したと称し、「データえっせい」なるブログを書いている舞田敏彦が、これを有効な統計分析と考えているわけではないだろう。要するに、それがデタラメであると承知した上で、故意に煽動しようとしているのである。

なぜ、そのようなふざけた真似を繰りかえすのかは分からない。

あくまでも想像だが、舞田敏彦は社会不安を煽りたてることで世間の注目を集め、それにより自著や、あるいは自分自身を売ろうとしているのではないだろうか。そうとでも考えなければ、こうした不可解な行動はあまりに説明がつかないのではないか。

アホくさいので、寝る。

舞田敏彦は毎年デマを飛ばしている(11月10日 20時)

こやつは、2011年にも同じデマを飛ばしていた。このころは、幸いにして鵜呑みにするものは少なく、行方不明ではないと指摘する声があった。

舞田敏彦じしん、「およそ6人に1人。その仲間入りはしたくないものです。母校からの進路状況調査には,きちんと回答しようと思います」と書いているから、調査票を返却しなければ進路不明として処理されることが分かっているのだ。行方不明者でないと知りながら、「行方不明の博士」と書いている。そう書いたほうがセンセーションを引きおこせる、と考えたからだろう。

舞田敏彦はSYNODOSに寄稿している(11月11日 16時)

舞田敏彦はSYNODOSに寄稿している。まじか。ちょっと驚いたよ。舞田敏彦が勝手に送りつけたのか、それともSYNODOS側から寄稿を依頼したのだろうか。

おそらく「サンプルサイズ」(標本の大きさ)と書くべきであろうところを、「サンプル数」と書いている。

学校基本調査の捕捉率の低さはすでに指摘されていた(11月12日 3時)

当ブログのコメント欄にて、非常に詳細なご意見をいただいた。舞田敏彦が悪用した学校基本調査(および進路実態調査)にはもともと調査手法の不備があり、学部卒業生や博士修了生の進路動向を十分に調査できておらず、「進路不明」が過大に計上されているという。さらに文科省の委託をうけた日本総合研究所による調査手法に対する検証と、追加調査が行われたとのこと。

また、舞田敏彦が2012年9月4日に「補正」と称するブログ記事を公開したあとも、大学でデータ分析などを教える専門家の太郎丸博さんに「あまりのアバウトさ」「統計マジック」などと指摘されていることも、あわせてご紹介いただいた。

上記のご紹介いただいた資料を一瞥すれば、まっとうな理性を有する人間がどちらの主張に拠るべきかは、ほぼ自明のことと言えそうだ。

舞田敏彦はこのブログ記事の存在を認識している(2014年1月23日 2時)

このことによって、舞田敏彦はかのデマを流すことができなくなった。おなじウソを繰りかえせば、故意犯であることが確かめられるからだ。[追記]オレのツイートを認識していると言えても、このブログ記事に気づいたとまでは言えないかな。ただ、かれが反論めいたことを言わないのは、おそらくブログ記事を見ているからだろうと思う。[/追記]

舞田敏彦がツイートを削除せよと要求してきた(2014年1月23日 18時)

オレが問題と考えるのは、舞田敏彦がウソと知りつつそれを流布する故意性なのだから、かれがデマ記事を削除すれば、とうぜんオレの発言も存在意義を失うのだが(オレは削除する意志がありますよと表明している)、かれは何がなんでも自身のデマを撤回したくないようだ。

注目すべきなのは、かれが問題視するのは“匿名で「死んだほうがいい」などと人を罵る行為”であって、たとえば顕名による罵倒であれば許容できると考えているらしいことだ。ただし、これはかれの本音ではないだろうと想像している。かれは自身が批判されたこと自体を怨みに思っていて、しかし反論のすべがなかったために批判者の匿名性と罵倒表現にかこつけている、というのが本当のところではないだろうか。

すでにお気づきだろうと思うが、かれはこれまで一切、このブログ記事やその内容に触れていないし、URLも書かない。かれの読者は批判意見の存在を知らされていない。そこからすると、かれはこれからも継続して職業的デマ屋として活動にいそしむ意志があるとみてよさそうだ。

舞田敏彦が自身のブログに追記したこと(2014年1月23日 22時)

ふむふむ?

*追記。この人物に当該ツイートの削除要請をしたところ,この人物が反論を寄せたブログ記事を削除することが条件などと言ってきました。そういうこと以前に,匿名で「死んだほうがいい」などと人を罵ることに,何の罪悪感も感じていないようです。

  この “ yunishio ” なる人物は,私が反論に応じないことを問題視しているようですが,匿名の反論など「論」とは認めません。

  もう,やれるだけのことはしました。あとは,ツイッター社からこの非道者に鉄槌が下されることを願うだけです。

データえっせい: 迷惑行為を報告

めっさ、ずれてるよ!!www

ここで問題視していることは「反論に応じないこと」などではなく、ウソと知りつつそれを流布する故意性だよ。

また、かれはここでも“匿名の反論など「論」とは認めません”と言っていて、要するに批判者が匿名であることが唯一の反抗の足がかりとなっている。ちなみに「論とは認めない」と言いつつ、同時に一方で「匿名の反論」とも言っており、かれ自身が「論」であることを認めてしまっている。オレはオレ自身の書いたものを「反論」とは呼んでいない(まあ、結論という語彙は使ってるけどね)。

14 件のコメント:

  1. お邪魔いたします。
    この案件全般についての私の感想はブコメに書きましたが、このエントリでの批判点のひとつである「舞田氏が進路不明と行方不明を意図的に混同させている」という点について一点気が付いた点を。

    2011年の記事では、タイトルからして「行方不明の博士」ですし、本文でもすべて「死亡・行方不明者」で通していますから、ここでの批判は妥当でしょう。
    一方2012年の記事では、一箇所「行方不明」になっているほかは、すべて「進路不明」としているようです。
    後で改竄された可能性もあるかと思い、2012年9月3日時点で取られた魚拓があったのでそちらも見てみましたが、同様でした。
    少なくとも2012年の記事について、行方不明を進路不明と偽った、という指摘は妥当ではないと思いますので、取り急ぎ。

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    1. ご指摘の点は承知しています(というか、記事本文でそう書いたつもりだったんですけどw)。

      2012年の記事も、公開とほぼ同時に批判意見があがり、記事はリアルタイムに書きかえられていたと記憶していますが、オレの記憶はあてにならないし、客観的に提示することができないので、そのことは書いていません。じつはオレも当時の複製が残されているんじゃないかと探してみたんですが、9月以降のものしか見あたりませんでした(批判を受けて書かれた「補正」と称する記事が公開されたのが9月4日なので、9月では遅すぎる)。

      ちなみに、オレがこの記事で指摘したいのは、舞田敏彦が「行方不明と明記していること」ではなく、「読者がそのように誤読するよう誘導していること」ですので、その点はご了承ください。むしろ読者を誤読するよう仕向けながら、自分はそうと明記しない逃げ道を用意していることのほうが、よほど卑劣だと思っています。

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    2. まあ、分かりやすくいえば「なぜ、進路不明だと“悲惨”、“惨状”になるんだ?」ということですよね。著者はたんに調査票が返却されなかっただけと分かっているのに、読者には「行方不明者が多い」と誤読させようとしているのです。

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    3. >(というか、記事本文でそう書いたつもりだったんですけどw)

      あらためて読み返しましたが書いてないような…

      魚拓も9月3日以前のものは見当たらなかったですし、RSSで全文配信されていて誰かがそのデータを提供してくれる、とかでもない限り、2012年の記事でも当初は進路不明を行方不明と偽っていたのかどうかは解明できないですね。
      ただ、2012年の記事をまずいと思って後から書き換えたのであれば、2011年の記事についても同様にするのではないか、という気もしました。

      あと、末尾の推測
      「社会不安を煽りたてることで世間の注目を集め、それにより自著や、あるいは自分自身を売ろうとしているのではないだろうか」
      については、政策への反映(研究者の雇用増)を意図しているのではないかとの推測を排除する理由も書かないといかんのではないか、という気がします。

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    4. nishioさんの批判意図についてコメントしていませんでした。

      ブコメにも書いたとおり、上の舞田氏のグラフの区分でいえば「無業」や「バイト」の占める割合の多いこと(学校基本調査のデータではより細かい統計がとれているので、やろうと思えばより緻密な(たとえば非正規職でポスドクとそれ以外とか、無業者でも就職準備をしている人とそれすらない人とか)分析もできそうですが)を問題にした方が素直だし、定型的な反論で議論がループしないですむだろう、というのがこの件ついて私の考えるところです。

      ただ、nishioさんも引用している「学校基本調査の手引き」の記述をよく読むと、「進路不明」から「惨状」を推認するのもさほど外した理解ではないかもしれないと思えてきました。

      「Q:(略)卒業後の状況を把握できない者がいます。どこに計上したらいいですか?
      A:「不詳・死亡の者」に計上します。ただし,進学でも就職でもないことが明らかな者で,進学や就職準備中の者や家事手伝いの者は,「左記以外の者」に計上します。」

      「Q:(略)就職先が不明確な場合はどこに計上したらいいですか?
      A:就職先が不明確な場合でも就職者として取り扱います。」

      以上のように、卒業者の進路に関する情報が相当あやふやな場合でも、安易に「不詳・死亡」にはカウントせず、分かる範囲で実情に近いものに当てはめるよう、学校基本調査の実施主体(文科省)は指示しています。
      また、就職先が不明確な場合についてのQ&Aが整備されていることからもわかるように、回答はあくまで「大学が把握した卒業後の状況」でよく、本人からの届け出によることは求められていません。本人から届け出がなければ、関係者から聞いた情報でもいいわけです。
      博士課程の学生は全員が一人以上の指導教員の下につくこと、博士課程の修了者はどの大学でも少人数で個別確認が比較的容易であることを考慮すると、本人から進路届が出されなかった修了者についても指導教員に聞くなどして把握している可能性は高いと考えられます。

      以上のような事情を考慮すると、「不詳・死亡」にカウントされる博士課程修了者については指導教員とも連絡を絶っているような状況にある蓋然性が高いのではないか、という推論は大いに成り立つと思えるわけです。

      (一方で、博士課程修了者は少数なので、逆に大学側が進路の把握に力を入れておらず、上で述べたような個別に把握する努力も行っていない、という仮説も大いに成り立ちえるとは思います。)

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    5. 「指導教官*とも*連絡を絶っているような状況」と言う具合に書くとさも重大事のようですが、既に修了してるわけですし、単に「指導教官*とは*連絡を取ってない」というだけで、連絡していなことに特別な意味を読み取らなくても良いと思います。

      (まあ、伝統的な価値観から言えば不義理ではあるかもしれませんが---私もその意味ではかなり不義理をしています。)

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  2. おっと、「進路不明を行方不明と偽った」ですね。失礼しました。

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  3. はじめまして。
    2011にもご覧になっているかもしれませんが、

    私的メモ:「博士課程修了者の進路実態に関する調査研究」
    http://togetter.com/li/225837

    博士課程修了者の進路実態に関する調査研究
    http://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/itaku/__icsFiles/afieldfile/2011/06/16/1307208_1.pdf
    p.1
    「しかし実際には、博士号取得者の就職が必ずしも 4 月からの新年度ではなくしばらく時期が経ってからというケースが多いことなどから、進路実態を正確に把握することが困難であり、やむを得ず「不詳・死亡」等に区分される博士課程修了者の比率が高いことが実情である。平成 21 年度調査の例では「不詳・死亡の者」の比率が全体の 9.1%、「左記以外の者」(基本調査で設定した枠組
    みに当てはまらない者)の比率が 20.6%にのぼる。 」
    p.32
    「学校基本調査と比べて、調査時期が遅くなったことにより進路が決まった者(民間企業等に就職した者もいれば、ポストドクターとしての雇用が決まった者などが含まれる)が増えたこと、また、本調査の方法として大学事務局において進路が把握できない者に関しては可能な限り指導教員にまで依頼して進路状況を把握したことにより不詳・死亡の者など不明者が減ったと思われる。
    特に不詳・死亡の者が 5.1%減少した要因は、後者の調査手法の影響によるものが大きいと考えられ、学校基本調査においても調査手法を徹底することで不詳・死亡の者を減らすことは可能と思われる。 」

    なお、学校基本調査の「「不詳・死亡の者」」の「不詳」を警察の言う「行方不明者」とを混同してはいけないのはその通りでして、警察の言う「行方不明者」のうち所在が確認される割合は非常に高いのは豆知識として知っておくといいことがあるかもしれません。
    「平成2 4年中における行方不明者の状況」
    http://www.npa.go.jp/safetylife/seianki/H24yukuehumeisha.pdf
    「本資料における行方不明者とは、警察に行方不明者届が出された者の数である。」
    「行方不明者は81,111人。前年比-532人(-0.7%)。」
    「所在が確認された行方不明者は79,730人。前年比+4,901人(6.5%)。」

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    1. こんにちは、情報のご提供ありがとうございます。

      これはすごいですね。まさにここで取り扱っているのとおなじ、捕捉率の低さの問題に真正面から取り組まれてますね。やはりあの学校基本調査のデータからまず真っ先に感じ取るべきは「死亡・進路不明率」の高さwなどではなく、捕捉率の低さでしょうね。ちょっと意外だったのは、文科省もみずからこの問題に気づいて、きちんと調査を委託していることでした。

      報告書を見ると、やはり調査票の回収にはいい加減なところが多かったようですね。それは文科省やら大学やらに怠慢があったということではなくて、双方の意思疎通に齟齬があったため、結果的に有効な調査ができなかった、というところなのでしょうか。大ざっぱな分類に迷ったのでとりあえず不明に入れてしまう…などが目だつ印象です。

      それとご指摘の調査時期も重要ですね。5月1日の調査となれば、そりゃあ内定の決まった学部卒で埋まるに決まっていますね。博士修了生の進路を調べるにしては、いくらなんでも早すぎです。半年ほどの求職期間をおけば、かなりの就職率に変化があるだろうと思ってましたが、やはり裏づけられましたね。

      行方不明者についてのデータ提供もありがとうございました。年間の行方不明者約8万人と比較すれば、約1300人が3月末~5月初(約1ヶ月)の博士修了生であるというのが、いかに荒唐無稽な主張であるのか、よく分かります。

      「データえっせい」のずさんきわまりない主張を見たあとではなおさら、ご紹介の議論やデータは一服の清涼剤のように爽快でした。数字はまだ細かく追っていませんが、これなら知見が身につきそうです。

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  4. 2012の別の記事では太郎丸先生に批判されてこれはグラフを描き直していたような気がします。

    稲葉先生のツイログにある太郎丸先生のツイート
    http://twilog.org/shinichiroinaba/date-120904

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    1. こちらも拝見しました。「データえっせい」では8月30日の記事に批判があったので、9月4日に「補正」と題する記事を公開しているので、ご紹介の意見はそこにいたる以前の批判なのかなと予想していたのですが、「補正」されたあとも問題があり、その記事の公開後に指摘されたものだったんですね。縦長のグラフだけど、じつは横軸のほうがレンジが長いという、しょうもない演出トリックは気づきませんでしたw

      太郎丸博先生はデータ解析法・社会調査を教える専門家ということですが、非専門家とはいえ舞田敏彦さんのあまりのひどさがきわだちますね。

      ちなみに舞田敏彦さんはたび重なる指摘をうけて、このあとも少しづつ言い訳めいたブログ記事を公開しています。ただし、自分に非がなかったような体でw

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  5. たとえ適切な指摘をしていたとしても匿名で言うのは著しく説得力に欠けると思うのですがそれは
    少なくとも向こうは実名を出して持論を展開してる訳ですし

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    1. 匿名だろうが実名だろうがウソはウソ、デマはデマです。
      「実名を出しているから“著しく説得力を有する”」などと考えていると、詐欺師のカモになるだけですよ。

      データと論理だけで判断すればすむ話です。

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    2. 舞田敏彦よ、どうしても実名を入手して脅迫したいのだな? 失うものは大学非常勤講師の2コマだけの者は強いなぁ。

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